事例 / アクセスジャパン株式会社 様
クレド作成は自社にとって
大きな進歩になったと思います
小野琢巳 様
アクセスジャパン株式会社 代表取締役
池端政之 様
アクセスジャパン株式会社 専務取締役
1997年創業のブランド雑貨や洋品の卸・小売業。
東京表参道の本社と千葉県市川市の商品センターを持つ、従業員約70名(アルバイト等を含む)規模の企業。
会社の沿革と思い
- まず初めに沿革をお願いします。
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小野社長
もともとブランド品の輸入を行う会社に勤務していたんですが、もっと新規開拓を積極的にやったり、自分たちの夢を実現したいと思い、池端(専務)を含めて4人で会社を興しました。27歳の時です。
創業当初、仲間に「自分たちだけが儲ける程度の規模の会社でいくか、大きくしたいか」と訊いてみて、「会社を大きくしていこう、成長して人もキチンと育てていく会社にしよう」と決めました。振り返ってみると3つのステージがあるように思いますね。最初の10年くらいは、若くて勢いがあったので、労基法とか無視で(笑)、夜中の2時3時まで仕事する感じでがむしゃらに働きました。仕事も拡大してましたしね。
次の中期は、リーマンショックの影響でかなり厳しい期間が8年くらい続きました。以前の状態を取り戻すのが大変でした。
そして、現在はリーマンの影響とかもすべてクリアして、新たなステージに向かっていく段階だと思います。仕事的には自社ブランド開発や製造などもしてますし、設立当初の思いを、次の世代に伝えていくという段階かと。 - なるほど。そういう段階にあってクレドをやるきっかけは何だったんでしょうか?
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小野社長
やはり時代の流れとともに会社にとって厳しい状況になっているので、キチンと強化していく必要があるなと思いましたし・・・。
40代のマネージャークラスを見ていて、会社運営の気持ちをもっと持ってほしい、上からの指示じゃなくて下を育ててほしいと思ったのもそうですね。
あとは、会社の規模が大きくなるにつれて、こうした思いとか、自分の思いとかを伝えて、次につながるようなものをこのタイミングで作っていきたいなと思いました。池端専務仕事に対する考えとか、思い、将来のことについて伝えているんですけど、伝えるのはすごく難しくて。社長の意思がどんどん薄まっていく中で、クレドならそれが伝えられるのではないかとて思いました。
クレド依頼のきっかけと幹部社員の反応
- 社長の思いを伝えていく手段としてクレドを作ってみようと思ったんですね。
ところで、HRアセストという会社を知った経緯は何だったんでしょうか? -
池端専務
社内で労務問題が起きてしまい、顧問税理士からセントラル社会保険労務士法人を紹介されて井下先生と知り合いました(※)。
最初は、規程を整備したりこうした労務相談をしていました。
それで、こうした問題を解決する中で、まずはマネージャークラス、のちには全社的に賃金体制をもう一度考えて確立させたいと相談したら、井下先生から「会社の意思や思いが伝わる仕組みを作ったうえで、進めた方がよいですよ」とアドバイスされて、それでクレドの話が出ました。(※)井下は、弊社代表であるとともに社労士法人も経営しています。
- 最初は労務問題からで、それではクレドをやってみようと思った決め手は何だったんでしょうか?
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池端専務
社長の意思が、わかりやすく全社員にきちんと浸透するものがあることを初めて知ったし、こういうことを伝えたうえで、会社の制度を作っていけば、社員側も理解してくれて受け入れ態勢ができるのかなと思ったところですね。
- 社長もそういう感じですか?
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小野社長
私の場合は、個性はそれぞれ違うものだけど、だんだん、マネージャーたちが自分の価値に基づいて好きに伝えたり、社内の雰囲気が以前とは変わってきたり、そういう場面を何度も見る機会が多くなってきたので。
個性は違って当然ですし、価値観もいろいろあっていいんですけど、やっぱり最低限の統一の価値観は作っておかないとこの先厳しいなと思ったのがきっかけで、その基準を作りたいと思ったところですね。 - それでクレドを始めたということですね。
参加は社長と専務のほかにマネージャークラス(幹部)6名の全部で8名でしたね。幹部の最初の反応や、苦労した点はいかがでしたか? -
小野社長
何を急にやりだすのだろう?って思ったと思います。規則等を作ったりしたから、また厳しいことをし出すのかなって思われたでしょうね。
日々業務に追われる中で時間調整に苦労したけれど、それも苦労というほどではなかったのかな。マネージャーたちの声を聴いても有意義だったと聞いています。池端専務4回の研修を通して、1回4時間なので、それはそれで長いので、途中で休憩もしたいし、早く終わりにしてほしいって思うこともありましたけど、(苦労というよりは)会社の根幹にかかわるところを、この時間で決めてよいのか?っていう戸惑いがありました。
社長と幹部社員はどのように価値観を共有するのか
- こんな短い時間で決めてよいかと思ったんですね。もっとも宿題が出て、皆さん話し合いをしていましたが・・・
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池端専務
もっと話し合ってよかったなと思いますね。もっと時間があってもよかったと思います。
- 意見を出し合ってクレドのミッション、ビジョン、バリューを決めていきますが、社長として価値観のずれがあったとか、それで困ったこととかありましたか?
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小野社長
マネージャークラスにはすでに思いを伝えていたので、大幅にずれるというのはありませんでした。むしろ同じ思いだということが再確認できました。彼らと一緒に作ったことで、彼ら自身が自分たちの会社だと再確認できたところは良かったです。
・・・それぞれの価値観に誤りってないと思うんですよ。どこを目ざすかを考えたときに取捨選択して、集約していく必要があるけれど、それを自分含めて全員が話し合って決めていくことができました。一般的に答えがあるものでないと動けない人って多くて、特に日本人に多くて、うちのマネージャークラスにもそういう人がいたんです。
自分がマネジメントしてきて一番苦労したのはそこでして、自分で答えを作り出していくことができないとか、こうしないといけない、という人たちに対してもっと自由でいいよ、とか個性的でいいよ、とか自分の気持ちを入れていいよとか、自分たちで決めていって良いということを話し合いを通じて得られたのは良かったと思います。まあ、でも、クレドが決まっていくにつれて、ある程度妥協はしたけど、「これが浸透していくのか?!」と思うとこっちも真剣になりますよね(笑い)。
自分の中でいろんな感情がわいて面白かったです。 - もともとのクレド作成研修は、社長や専務の意見に引っ張られてしまうのでトップは入ってはいけないというものでした。
でも、社長の思いが強いからこそクレド作成をご依頼されるのだから、プレ研修で社長にクレド研修の意図をご理解いただいた上で、話し合いに参加していただくというスタイルに変更したんです。
社長としては研修中「言いたいけど言っちゃいけない!」という葛藤にもつながったと思います。ほかの会社でも研修中に小野社長のように葛藤すると思いますが(笑い)、御社がうまくいった要因は何だと思いますか? -
小野社長
そもそもボトムアップで、自分たちで考えて仕事できないとストレス溜まると思いますし、こうしたことができるのが良い会社だと思います。だからボトムアップにしたい、いい会社にしたいと思いながら参加すれば、みんなに対して自律的にやってほしいと思い必要以上に自分から口を出さずに済むんじゃないかって思うんです。
一から十まで口を出したい経営者もいるし、経営者のタイプをいろいろあるから一概には言えないけど、自分は数字よりも人(浸透しない、自律できない)でストレスを感じるので、そういう行動をしたと思います。
研修はいろいろな意味で新鮮だった
- 研修の中で印象に残ったものを教えていただけますか?
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池端専務
「物語」ですね。
クレドを始める前に、クレドカードなど他社さんのサンプルを見せてもらっていましたが、その中に「物語」はなかったので。物語を書くというので、「こんなことするんだ」って新鮮でした。でも、逆にどこまで書いていいんだろうって戸惑いましたね(笑い)。
確実なものだけ書くのか、ちょっと背伸びしたものなのか、あまりに突飛なこと書いたらそれこそ夢物語になっちゃうし・・・ - そうですね。物語って、あたかもタイムマシンとかで数年後を見てきて、それを書くっていうのが面白いですよね。
数年後に設定するのですぐ達成してしまうのでは意味がなくて、背伸びして届くか届かないかってところがいいんでしょうね。 -
池端専務
どこに設定するのかは自由に決めてよいのでしょうけど、書くからには我々としては絶対に実現したいと思うので。そういう意味で難しい課題でしたね。
小野社長バリューを決めるときの「組織文化」は良かったです。組織文化からバリューのバランスを決めていくのが面白かった。
こういうことをしないと決められないし、わからないなって思いました。組織文化の方向性を考えてから決めるというのは、自分だけじゃなくて参加してたマネージャークラスにもすごく刺さったと思います。
- 御社の場合、イノベーション型に集約されていきましたよね。
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小野社長
はい。普段から自分がこの方向性で話していたので、みんなが弱いって思ったんじゃないかな。でも、自分に一番近い人間が自分と全く逆の方向を目指していたってのは、
ちょっとショックでしたね(笑い)。だから苦労するのか!って。 - そうですよね、最初に個別に現状と理想の組織文化を点数化していって、それをもとにひとつの方向に集約していきますものね。
ところでそのAさん、次の担い手なのに真逆でしたけど、大丈夫でしたか?(笑い) -
小野社長
大丈夫です。ネタになるくらいで(一同爆笑)。
でも、個人の考え方がわかるのですごくおもしろかった。最初に個人個人がやって「いっせいのせ!」で出したら「ああ、違う」っていうのが面白い。 - 一番盛り上がっていましたよね。
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小野社長
人数が多かったので、あれ(組織文化のワーク)が一番よかったな。
あれで、みんなの方向性が決まっていくと思いました。バリューが終わった後に、もう一度ビジョン見直したり、「ファッション」って言葉をいれるかどうかもう一度検討して・・・
会社の在り方を根本から考えるということでは、みんな妥協せずにやっていたと思います。あと、「物語」もみんな自分(社長)が言ったことを黙って聞くだけじゃなくて、それぞれが誰ともなく話していくという光景も新鮮でした。
HRアセストとはいろんなことを教え合える関係でいたい
- クレドカードが出来上がったという今の段階で、最後にクレド研修をやってよかったと思うことや感想をお願いします。
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池端専務
クレドカードは目で見て会社の一番大切にしているところはここだ、というのが一目でわかるし、みんなに伝わるスゴイ手段だと思います。
これから全社員に浸透していくのが重要ではありますが、マネージャーが参加して一生懸命作ったという自負があると思います。
あと、会議で意見が出ないという雰囲気があったけど、クレド作成をつうじてみんなが意見を言いやすい、言えるようになったというのはうれしい副産物でしたね。
こんな効果が出たのが。
斜に構える人もいなくて一生懸命参加してくれたのは良かったし、何より一体感が出ました。感覚の違いを一つにまとめるのにクレドが必要だと思いますので、今後もHRアセストさんにはいろいろ教えてもらいたいです。
小野社長マネージャークラスの成長が見えたのがよかったです。
価値観の共有は自分の目的のひとつだったので、それを話し合っていけてよかったし、今後、クレドに照らし合わせて部下指導したり、行動の指標になるので、これからだとは思うけれど自社にとって大きな進歩だったと思います。HRアセストさんには、今後も長く、自社がぶれないように他社の状況とかも教えていただきたいですし、うちの面白い部分をお伝えできたらいいなと思います。
クレド作成は、すごくいい機会だったと思うし、自社が今の段階にきたからこそできたんだと思います。
- 長時間にわたり、ありがとうございました。今後もよろしくお願いします。
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